ゲーム『薄桜鬼』の感想だったり二次創作だったり
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総司の様子が少しおかしい
何やらボーっとしていることが多い気がするが…
-熱のお薬-
「おい、総司。」
巡察が終わり、屯所へ戻ったアイツを掴まえてみれば、
俺の呼びかけに対する応答さえ腑抜けていて…
何だか些か気に入らない。
「…あ、一君。久しぶりな感じ。どうしたの?眉間に皺寄せて~。」
俺に気付けば、いつも見せる猫のような笑みを浮かべる。
「どうした…じゃないだろう。ちょっと来い。」
「え、ぁ…ちょっ、一君!?」
戸惑いを見せる総司の手を引いて、俺の自室へと向かう。
掴んだ手の熱が伝われば、やはり、と溜息を漏らす。
「いつからだ。」
「え?…何がァ?」
「誤魔化すな。熱だ。いつから出ている。」
余計な語彙を使わない俺の言葉に観念したかのように、
いつもより少し小さくなったように総司が答える。
「一昨日…くらい?かな。」
ハハハ、と苦笑を浮かべて答える総司を見ていて、
俺は心の中で舌打ちをする。
俺は遠出の仕事を頼まれて、一昨日から外出し、
今朝方やっと屯所に帰ったところだった。
そんな日に限って…。
自室に辿り着けば、布団を敷いてやる。
「ひとまず、寝ておけ。薬は山崎君に用意してもらう。」
「え~…寝てるなんて、つまんないよ。」
「総司。」
「…はーぃ。」
刀を布団の脇に置いて、渋々布団に潜り込む。
拗ねたのか、顔を半分ほど布団に埋めている様を見ると、
ささくれ立った俺の心がようやく解れていく。
一度、部屋を出て、山崎君に薬を用立てる。
熱の薬ならばすぐに用意が出来るらしく、
それを受け取って自室へ戻る。
火照った頬に手を添えて、其の手をずらして額に当てる。
かなり熱いが、薬を飲めばすぐに下がるだろう。
結論に至った俺は、安堵の溜息を漏らす。
「あまり、驚かせてくれるな。心臓に悪い。」
「ごめん。」
「だが、大事なさそうだな。薬を飲んだら、少し寝た方が良い。」
薬と白湯を手渡せば、大人しく飲み下す。
薬が苦いのか、顔を顰める様が幼子のようだ。
「一君、僕のお願い聞いてくれる?」
「…ん?何だ。言ってみろ。」
額に掛かった薄茶の髪を梳いては尋ねる。
病人を無下には出来ないから、など…
ただの言い訳かもしれないな。
俺も数日、総司とまともに会話すらできていなかったことが、
思った以上に応えているようだ。
布団の中からスィと手が伸びたかと思えば、俺の着物の裾を引っ張る。
「一君も一緒に寝て?ちょっとでいいから。」
「…わかった。ほんの一刻だけだぞ。」
「わーぃ。早く早く!」
「病人は大人しくしてろ。」
刀を布団の脇に並べて静かに布団の端を持ち上げ、身体を滑り込ませる。
隣へと身を横たえれば、すぐに総司の両手が背後に回った。
「一君、手冷たいね。暖めてあげる。」
そう言えば、俺の手を口元へと運んで軽い口付けを散らしていく。
「…っ、総司。大人しくしろと、言っただろ。」
「だって、もう数日も一君に触れてない。無理だよ。」
ちょっとだけ…
其の言葉を皮切りに、総司の唇が俺の其れを捉え、啄む。
いつになく熱い総司の口付けに、意識が朦朧とする。
「…ン、ッ…そう、じ。」
「一君、僕に会えなくて、寂しかった?」
「…どうだろうな。」
「素直じゃないなァ。でも、そんなとこも好きだけど。」
「俺との約束を反故にするのなら、それなりに考えがある。」
「…解った。解ったって、ちゃんと寝るよ。」
いよいよ調子に乗り始めた総司に、警告を放つ。
求めたいのは俺とて同じ。
俺もお前も、隊士を纏める組長である立場をいつ何時忘れてはならない。
そうだろ?
「でも、一君が一緒に居てくれる方が、薬飲むより効き目あるんだよ?」
「ば…ばか、早く寝ろ。」
こんなときですら、嬉しい言葉をくれるお前が愛おしい。
そう、素直に口に出来れば、何の苦労もしないだろうに。
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前回は総司視点だったので、今回は一君視点で。
客観視点でも書きたいのですが、短文から…
って思ってリハビリしてるので、未だ叶わず。
其のうち書きますよ。
総司って、自分のことには無頓着だから、
そこに気付いてあげられるのは一君しか居ないっしょ。
健気だゎ。
2009.0128
サカキ。
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