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ゲーム『薄桜鬼』の感想だったり二次創作だったり
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サカキ。
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その声が



俺の心を この世にツナギとめる




だからせめて



あと


もう少し このままで






- 君の 呼ぶ 声 -






羅刹と化した俺は、いつ灰となって消えてもおかしくない。
俺が選び、俺が決めた道だ。後悔などする由もない。
それでもお前が土方さんの前で、俺の傍に居ると告げたあの日から、
ただ志を貫くことだけではなく、お前の為に生きたいと願った。




「斎藤さん、そろそろ帰りましょう?冷えますよ。」

キンと冷えた空気に身を震わせた千鶴が、俺の服の袖口を引きながら告げた。


斎藤さん、か…


その呼び名に、幾分か不満を覚える。
今となってはお前も、雪村ではなく斎藤ではないか。


「斎藤さん?」

俺が応えないことに疑問を持ったのか、顔を覗くように正面にまわる。



「雪村。」

「は、はい。」

「お前は、俺にそう呼ばれてどう想う。」

返答に困って思案している様を見ることが楽しいと感じる俺は意地が悪いだろうか。
そうこうしているうちに、意を決したかのような面持ちで千鶴が俺を見上げた。

「は…はじめ、さん」


「なんだ。」


「あまり、意地悪をしないでください。」

困ったように俯く様子も、また微笑ましいと想う。


「すまない。困らせるつもりはなかった。」

冷気にあたり、少し冷えた黒髪に手を添えればサラリと撫でる。
心地良い。自然と、笑みが浮かぶ。


「帰ろう、千鶴。」

「はい。」


「寒いか?」

「…少し。でも、大丈夫です。」


袖口から少し出ている手を取れば、笑みを浮かべて握りかえしてくれる。
温もりが心地良いことを、俺はいつ知っただろう。

誰かと想いを分かち合うことが、何より強い心を作るのだと、いつ気付いただろう。



全てはお前の言葉がくれたもの。



だからせめて、お前が悲しまぬように俺も生きる。





いや、俺がただ、お前を傍に置いておきたいだけかもしれない。



俺は忘れない。

あの日お前が、俺に向けた美しい眼差しを。






-------
初の薄桜鬼SSでした。
やっぱ最初は斎千で、って決めてたんで。
そして斎藤エンドに限りなく近い感じのヒトコマを
一君の心情も含めてちょっと書いてみました。
こうやって書くと優しい一君の心が見えてくるね。

ぼちぼち、遊んだのとかも書くんで…
最初はこんな感じで見逃してください!



2009.01.18
サカキ。
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